quiere una patada

「蹴りたい背中」は、当作品で史上最年少での芥川賞を受賞した、綿矢りさが著者。まだ若い彼女の感性は、青春していない、少しばかりひねくれ者の主人公を描き出している。
長谷川ハツは、中学時代に無理矢理築いた交友関係にうんざりしていた反動で、高校に入学してからは、ほとんど人に接さず、クラス内でも浮いた存在になってしまった。そんな彼女は、ある日、自分同様独りぼっちのにな川とひょんな事で話すようになる。人気モデルのオリちゃんと実際に喋ったことがあると告げた際、にな川は食いつくようにその出来事の詳細を知りたがった。そんなにな川のマニアックな世界へ舞い込んだハツは、自ら他人への関心を示し、愛しさとはひと味違う気持ちに始めて触れ合うことになる。



誰もが味わったことのある、友人が徐々に離れていってしまう、あのなんともない切なさ。そんな切なさを感じることができ、自らが共感できたところが非常に良かったと思う。ハツがにな川の世界に引き込まれるように、読者も二人の世界へ引き込まれる。文学にさほど詳しくない素人のくせに、芥川賞を受賞した作品に対し厳しいとは思うが、もう少し小説の世界に浸りたいという想いから、本来の評価よりマイナス。ハツ達が大人になってからの話などが出たら、おもしろいと思う。しかし、全体的の流れは非常に良く、読書好きの人にはおすすめする一冊。

評価:★★★☆☆



テーマ:ブックレビュー - ジャンル:小説・文学
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